story


死とはすべての生物に与えられた休息、どの種族にも唯一平等に与えられた時が死だ。
だが、与えた神は不平等を愛した故に最期の時までは平等に与えなかった。
のちに神になったものは平等を愛した。最期の時はみな平等であってもよいのではないのだろうか。
最後に痛みにもだえ苦しみ、喘ぎ喘ぎ死んだ者もいれば、最愛のものに看取られて安らかに眠るようにしてしぬものもいる。
事実自分が死んだのかさえ分からないものもいる。
神は納得がいかなかった。最期を平等にするため、神は下界へと使いを送った。

  ――暗き闇に沈んでゆくものに、光の微笑みを。
         絶えることなく平等に広がっていく空の祝福を――――